2024年アカデミー賞を受賞した「映画オッペンハイマー」を早速観に行った。
クリストファーノーラン監督はCGを使わず実際の飛行機や建物を使用する実物主義で有名な人だ。本作では世界初の原爆実験を大量の爆薬を使用して再現したという。核爆発はどんな感じだったのか、マンハッタン計画の規模、原爆の怖さを実感したくてIMAXシアターの席を選んだ。
内容としては天才物理学者オッペンハイマーが原爆開発に携わっていく話。
(以下ネタバレあり)
以前紹介した「炎は流れる」を読み終えた。
結局、大宅壮一全集24~27巻の4冊が対象となっていた。ざっくり書くとこんな感じ。
1(24)巻:乃木将軍の殉死、赤穂浪士のはなし
2(25)巻:高杉晋作の見た清国、欧米文化との接触、遣米使のはなし
4(27)巻:勤皇博徒日柳燕石、遣欧使のはなし
「忠誠心の源流を探る」ということで始まった本シリーズ。冒頭に大宅氏が宣言した通り話があっちへ行ったりこっちへ来たり振れながらも歴史をさかのぼっていた。
それがプツンと途中で終わってしまった。(福沢諭吉が英国へ遣欧使節団で行ったところ)
あとがきを読むと、どうも大宅氏が体調を崩してしまったようだ。
確かに、膨大な量のはなしが出てくるので身体がついて行かなかったのでは無いかと思える。
もっともっと伝えたいことがあったんだろうな~。
大宅さんありがとうございました。
■気になって書き出した箇所をあげておく
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独身のトイレ清掃員の日々を描いた役所広司がカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した作品。監督は親日家のヴィム・ヴェンダース。
独身で実家暮らし、一昨年うつで休職し今はかろうじて復職しているものの昔の様にいかないもどかしさを感じている自分にとって「独身のトイレ清掃員の日々」その上タイトルが「パーフェクトデイズ」なんて興味が湧くのは当たり前。何か生き方の参考にならないかなと思い観に行くことにした。
会場は岡山シネマクレール。岡山にこんなミニシアターが在るのは誇りだ。上映30分前には着いたものの1階ホールには既に多くの人が待っていた。客層は中高年の人が多かった。皆も生き方の参考を求めてやって来たのか。そんなことはないか。
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去年のうつリハビリで通った図書館。最近でも時々利用させてもらっている。
何を読もうかな~
そういえば・・・
前から読みたいと思っていたけど読めていない本が有ったのを思い出した。
日本人特有の精神性(忠誠心)はどこから来ているのか?を扱った本。司馬遼太郎作品のあとがきに紹介されていたのだけれど本屋に無く、ネットで探すもkindle版でしか無く諦めていたのだった。今まで図書館で探すってのは考えていなかった。
「炎のなんとか、おおたく・・・?」
おぼろげな記憶を頼りに備え付けの端末で検索してみる。
パチパチパチ、パチ
出てきた。
炎は流れる
大宅壮一全集第24巻
本は棚に無く書庫に有るそうなので司書の人に出してもらう。
20分程してカウンターへ行くと茶色い本を渡された。
中には著者の大宅壮一氏の白黒写真。文字の書体が古い。ページ最後には昭和39年4月と書かれていた。
こんな本読まないよな~と思ったが、折角探してもらったので借りることにした。
内容は明治天皇が亡くなった日に妻と殉死した乃木将軍の話しから始まる。事件発覚当日の様子、社会への影響。乃木家の屋敷で昔赤穂浪士が切腹した話から忠臣蔵の顛末。浅野家が招いた学者山鹿素行と吉田松陰をつなげる陽明学。
様々な方向にはなしが流れ絡んでいく。関係する登場人物が多種多様でよくそんなこと知っているよなと驚いてしまった。気が付けば結構ページが進んでいた。
今でこそ全国の神社で祭られている乃木将軍の殉死については、当時賛否が有ったようで軍部はあまり公にしたく無かった様だし、赤穂浪士の話しでは浅野家おとりつぶしの際領民は餅をついて祝ったという意外なエピソードが書かれていて興味深かった。
まえがきに書かれている通りこの本は歴史書ではなくタテの旅行記というだけあって縦横無尽だ。色々な方面から対象を浮き彫りにするということを徹底している。
本の見た目は古くて堅苦しそうだったが、文章は洗練されていてとても読みやすかった。
結局、日本人特有の精神性とは何なのか?
新渡戸稲造の一説(P83)武士道とは何ぞや。一の時代の一の国民が必要にせまられておこれるある限られた範囲の道徳である。
そもそもこういう思想が発達したのは何なのか?自然環境の影響?
炎は流れるは何冊か続くようなので引き続き読んでみようと思う。
※図書館の貸し出し期限は2週間というのも読書を後押ししてくれるのがいい。
IMAXで鑑賞。AIと人類の戦いの話。AKIRA、攻殻機動隊、ラピュタ等日本の作品が影響しているんだろうなと思う箇所が随所あった。
大体こういう話となるとAI(機械やロボット)側が圧倒的に強く、人間側が追い詰められている設定が多いのだが、この作品では違っていて新しかった。
AIを殲滅することにした西側諸国vsAIと共存しているニューアジアの戦い。
一神教と多神教の違いなのか。
テクノロジーと東南アジアの田舎や雑多なアンバランスな感じが良く出来ていて「未来はこんな感じになるんだろうな」とブレードランナー世界のアップデートを感じながら見ていた。
シモン・ストーレンハーグの世界観みたいにも見える。こういうの好きなんだよな。
以下ややネタばれ注意
先月実施した抗うつ薬(イフェクサーSR)の減薬。初っ端は頭痛、めまい、シャンビリ感に悩まされたものの日が経つに連れて落ち着いて行った。
よって今週からいよいよ断薬となった。
薬の服用量は1日最小の1カプセル(75mg)だったし、1か月間減薬(37.5mg)した上での断薬なので、離脱症状は何もないか、有っても数日軽く出る程度と予想していたのだが、しっかり出てしまった。出ている。(現在進行形)
以下経過情報
断薬初日は何も無かったものの、2日目に離脱症状が出始めた。
朝から減薬時と同じく、めまい、シャンビリ感の症状が出る。特にシャンビリ感がひどく、ずっと頭の中で何かがシャンシャンと鳴っていた。また、うつ病がひどかったときと同じように、TVの音がうるさい、細かい文字を読みたくない、照明がまぶしい等、刺激に敏感になっていた。
それでも何とか出社し周りには何も悟らせることなく過ごしたが、帰宅時には症状に吐き気が追加され夕食を摂らずに寝た。こんなにキツイとは聞いてないよ~。
翌日(3日目)、吐き気は治まったものの、めまい、シャンビリ感は残る。
ネットで調べると、抗うつ薬は断薬後1~3日で離脱症状が出るらしい。なるほど時間差が有るようだ。
離脱症状は、薬で増加させていた脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン)が減ることで、神経細胞シナプスの受容体と数のバランスが崩れることで発生し、2週間程度で落ち着くと書かれていた。
そういえば薬を服用し始めた時も「2週間後から効果が出始める」と言われていた。
脳内の状態が安定するのには、投薬時も断薬時も同じくらい時間がかかるのだろう。
今までうつが良くなり、薬をやめるときは「はい終わり」と一気に元に戻るイメージだったが、脳に作用する抗うつ薬はそう簡単では無いようだ。頭痛薬とは違うんです。
今日で断薬から1週間。未だに、めまい、シャンビリ感は残るが、月曜日から比較すると大分マシになっている。感覚的に50%くらい減少。
このまま落ち着いて行って欲しいが・・・。
しばらく人体観察は続く。
うつ病などの「心の病」は、最新の脳科学においてどこまで解明されているのか知りたくて読んでみた。
12人の専門家がそれぞれの知見を紹介していく構成。人によって文章が読みやすかったり読みにくかったり。3回読んで少しわかったか。
「心の病」といっても様々なものが有り、大きく二つのグループに分けられるそうだ。一つがパーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患。脳萎縮や細胞死など明らかに目視で違いが分かるもの。もう一つがうつ病、双極性障害、統合失調症などの精神疾患。目視で違いが分からないもの。
前者がハードの異常、後者がソフトの異常?だから精神疾患は気持ちの問題みたく思われているのかも知れない。
それが最新の研究では、脳を遺伝子レベルで調査することで、精神疾患でも違いが分かるようになってきている。
双極性障害、統合失調症、自閉スペクトラム症は遺伝要因の影響が強いそうだ。
おかげさまで体調は安定しています。
いよいよメンタルクリニック先生の診断をいただき今週から抗うつ薬の減薬を開始している。
今までイフェクサーの75mgカプセルを飲んでいたのが半分(37.5mg)のものになった。
薬を減らす方向なので身体への影響は気にしていなかったが、初日は頭の芯に頭痛が有った。更に翌朝は来るね~シャンビリ感(頭の中がシャリシャリする感じ。ネットで調べるとこの言葉が出てきた。多くの人が体験しているのか)と軽いめまい。
また、気のせいか睡眠時に夢をよく見る。
正直、抗うつ薬の効果はよく分からなかったが、ここに来て薬が脳に何か影響を与えている感じが分かる。我ながら興味深い。
セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害がされなくなっている?
薬の効き目は血中濃度によるらしい。
ネットで調べるとイフェクサーは5~9時間かけて最大濃度になって、そこから9.3時間かけて半分になるそうだ。
朝7時に服用すると、早ければお昼12時には最大濃度となって、夜21時あたりには半分になり、翌朝6時には更に半分の25%になるということか。
まてよ。
となると、毎日7時に1カプセル服用しているということは前日の薬成分が25%位残っているということ?
薬1年近く飲んでますが・・・どれだけ蓄積されているのか?怖
チャットGPTに質問してみた。
さくっと回答が出てきた。
なるほど。
どうも薬の血中濃度の安定は排出量と吸収量の均衡がとれる辺りらしい。
年齢や肝機能などの個人差で異なるみたいだ。
確かに人体は単純な%じゃないわな。失礼しました。
しばらく人体観察してみるかな。
「人間関係の基本は家族との関係から」というはなしを人からされたことがある。それだけ家族との関係は他者との関係を構築する上でも影響するということだろう。
仏の歴史学者エマニュエル・トッド氏は「国の関係も家族から」と言っている。
最近出された著書「我々はどこから来て、今どこにいるのか?」は難解なのでこの入門書を読むことで理解が深まるらしい。
正直「我々は・・・」は、世界で売れた「サピエンス全史」の二番煎じくらいに思っていたが本書内の佐藤優氏に言わせると「似て非なるもの。知的な洗練度が全く違う」とハラリ氏の方をえせ歴史家呼ばわりしていた。以前「サピエンス全史」を読んで少し得意になっていただけにショックだった。そうなの~?
このトッド氏が書いた本は昨年調子が悪くなる前に一冊読んでいた。
「第三次世界大戦はもう始まっている」というやつ。ウクライナ戦争についてあまりにも日本のマスコミが伝えていることと逆な内容なのでインパクトがあった。
また「家族の在り方」と「国家体制」の話が突飛でにわかに信じられなかった。
今回この本を読んで「家族の在り方」と「国家体制」の親和性についてトッド氏は長年研究していてむしろ家族の在り方専門家なんだということを知れた。
特に歴史上「核家族」が最も古く、人類が都市化していくにつれて「共同体家族」化していったという説は斬新だったがそれなりに納得できた。
自然すぎてあまり実感がないが日本とドイツはその間の「直系家族」らしい「英米」とも「ロシア中国」とも違う独自の道を進めないかと思えた。