ここのところ会社の飲み会が多く、酔っぱらって電車に乗る機会が増えた。
酔うと眠くなるタイプなので電車ではなるべく座らない様にしているが、先日「あと二駅だし」と座ってしまった。「あと一駅」と次の駅までは起きていたのだが案の定寝てしまった。
しばらくして・・・。
トントン
右肩を叩かれた。
眼を開けると隣に30代位の優しそうな女性が居て「着きましたよ。」と言ってくれた。
ハッ!
やばい寝てしまった!
外を見ると幸い電車は最寄りの駅(終点)だった。
「すみません。」
女性にお礼を言ってホームに出る。
ちょうど駅を出るころに電車が出発し、少しの間横を並走していった。
「あのまま起こされなかったらこの電車に乗っていて戻ってんだろうな・・・。」
小さくなっていく電車のおしりを見つつ「まだまだ世の中捨てたもんじゃないな~。」と女性の行動に感謝した。
東京に来た頃、浜松町のモノレール駅で寝込んでいる人を誰も起こさないのを見た。「誰も起こさないんだ~」「東京人は冷たいな」
と思ったものだった。
そこから東京で生活していくこと9年。人々が起こさない理由も分かるようになってきた。寝ている人にはUターンをわざとしている人も居るし、関わると絡んでくる人も居る。そもそも人が多いと「他の誰かがやるだろう」と思う心理もある。
それで自分もいつの頃からか寝ている人に無関心になっていた。
今回、トントンと起こされて嬉しかった。ありがたかった。
今度自分にそういう機会があれば声をかけてあげようと思う。
「情けは人のためならず」ね。