ヒロニューのブログ

人生を充実させたいアラフィフ独身おじさんのつぶやきです。

生まれた時代による天国と地獄。この振れ幅を考えずにはいられない (独ソ戦)

今年最初はこの本を読んだ。
新年早々物騒なテーマの本だが「2020年新書大賞1位」という帯に惹かれて買ってしまった。

よく「幸せとは何か」とかあるけれど「独ソ戦の逆」と20000%で言えるようになった。 

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書)

 

独ソ戦」とは第二次大戦下のドイツとソ連の4年に及ぶ戦いを指していて、ドイツがソ連に侵攻し快進撃したもののモスクワ手前で冬将軍に負けて撤退したことや、戦死者が多かったということは何となく知っていた。
しかし、本書を読んでこの戦争は普通の戦争ではなく「絶滅戦争」という種類の異なる最悪の戦争だったということを初めて知った。


第二次大戦死者数(本書冒頭よりざっくり再計算)※民間人含む

 ドイツ:   830万人
  ソ連: 2、700万人
 (日本:   310万人)


数字で見ると桁が違う。麻痺してくる。

 

 

戦争をしかけたナチスドイツの考え方は「異なる民族は人間にあらず」で、最初から敵を皆殺しにして絶滅させることを目標としており「出動部隊」という別の組織が戦闘している部隊に随行し、敵の軍人以外にも教師、聖職者、貴族、ユダヤ人を組織的に殺害していたのだそうだ。

「民族には優劣がある」という考え方を信じている場合、敵を殺しても家畜をしまつしている感じで罪悪感なんてないのだろう。
当時、日本はドイツと同盟していたがドイツが勝利した場合、民族の違う日本人もいずれ殺されたのでは無いか?と思いゾっとした。

ソ連側も最悪な状態だった。当時スターリンの大粛清によって多くの優秀な軍人が殺され組織が不完全な状態でドイツと戦うことになり、さらに捕虜となっても殺されることが分かっていたので徹底抗戦し戦争が長引くことになったそうだ。

あれからドイツ人は改心したのか。ロシアとはどういう関係なのか。気になった。
独ソ戦」が500年前の話だったらまだしも、たった80年前の話だからな。
当時の世界はそこまで相手をせん滅しないと自分たちは生きられないのか。
同じ人間として自分の中にも潜在的にこの残虐性を秘めているのかと思うと恐ろしくなる。

今でこそ「人類は皆平等」の世界となっているが(実際には世界中差別はあるけれども)よくそういう方向に世界がなったなと思えた。場合によっては「人類には優劣がある」という世界になっていたかも知れない。

最近はコロナで自粛自粛だが、今こうやって暖かい部屋でブログを書いている。
先人の苦労を想い、冥福を祈りつつ、豊かな現代に感謝だ。
現代は間違いなく恵まれている。幸せです。ありがとうございます。

生まれた時代による天国と地獄。この振れ幅なんなんだろうね。