小説サハリン島。
はてなブックマークで「最近十年で最高のロシアSF小説」という記事を見つけて気になり買ってみた。
上下びっしりの文字が大体400ページ。
価格も3,800円もする。
久々の重厚感。
ロシアの小説って文章が長いんだよな~。翻訳ってのも読みにくいし・・・。昔カラマーゾフの兄弟を読んでへとへとになった記憶がある。文章も重厚なんだよな。
もっとかかると思ったが3週間で読破できた。
正直、「最近十年で最高の・・・」てのは言い過ぎかな~。
内容は帯に書かれてるそのままなんだけれどね。突飛押しもない設定なんだけれども。そんなに凄いとは思えなかったかな。
舞台は100年位未来。
世界は北朝鮮原因の核戦争でほぼ壊滅。それでも日本は素早い鎖国政策で生き延びている。主人公のロシア人女性シレーニは日本で未来学を専攻する大学生。彼女が大陸と日本列島の境界にある辺境のサハリンを旅するという内容。
サハリンには刑務所や炭鉱があり、出てくる人出てくる人、病んで死にそうな感じ。中国人やコリアンは下級民族として描かれている。人間がゾンビみたいになるMOS(移動性恐水病)という伝染病も流行っていて今風だなと思えた。(ゾンビが来る描写は結構怖い)
全体的にどんよりして不気味な世界。
何だろう、外国人の価値観の違いなのか、この作者の独特な感性なのか、ここでこの人が登場する意味があるのかとか、良く分からない言い回しするなとか、色々違和感を感じながら読んでいった。とつぜんゴムボートが出てきたり。細かいことは気にするな。
それでも最後のシーンは印象的だった。
映像を見ている訳では無いのに脳内のスクリーンに映し出される最後のシーンはしばらく残っている。
ナウシカの「腐海は汚染を浄化している」という「汚いものの中には綺麗な新しいものが宿っている」というはなしに通じるものがあるのかなと感じた。
変な夢を見終わった感じだ。
星3/5