ヒロニューのブログ

人生を充実させたいアラフィフ独身おじさんのつぶやきです。

足るを知る生き方が美しい(パーフェクトデイズ)

独身のトイレ清掃員の日々を描いた役所広司カンヌ映画祭主演男優賞を受賞した作品。監督は親日家のヴィム・ヴェンダース

独身で実家暮らし、一昨年うつで休職し今はかろうじて復職しているものの昔の様にいかないもどかしさを感じている自分にとって「独身のトイレ清掃員の日々」その上タイトルが「パーフェクトデイズ」なんて興味が湧くのは当たり前。何か生き方の参考にならないかなと思い観に行くことにした。

会場は岡山シネマクレール。岡山にこんなミニシアターが在るのは誇りだ。上映30分前には着いたものの1階ホールには既に多くの人が待っていた。客層は中高年の人が多かった。皆も生き方の参考を求めてやって来たのか。そんなことはないか。

 


内容は、さすがヴィム・ヴェンダースというかドキュメンタリーぽく日常を淡々と描いていて外国人の目から見た日本が美しかった。
主人公の平山がカセットテープで音楽を聴き、フィルムカメラで写真を撮る少しレトロな男だからか、画面サイズがこじんまりとした4:3のテレビサイズだった。
平山はスカイツリー近くに住んでいて、昔この辺りが職場だった自分としては景色が懐かしかった。ただヴィム氏にかかると「コインランドリー」という看板も一気に味わい深くなる。

ひとつ不満としては平山が清掃するトイレがどれも個性的でおしゃれというところ。もっと一般的な味気ないトイレを掃除して欲しかった。調べると、「建築家が造った公衆トイレ15」というプロジェクトからこの映画は出来たそうで最初からそうは行かなかったみたいだ。

結局平山は、どういういきさつで今の生活を送るようになったのか良く分からない。テレビを見ない、ラジオを聞かない。完全に世の中を遮断して自分の世界に生きている。妹とのシーンで父親と確執がある様子だが。

泣いているのか笑っているのか何とも言えない平山の顔が印象的だった。あれは役所さんじゃないと出せないだろうな。というかこの映画は役所さん在っての作品だろうなと思えた。★4.8/5

おっと、生き方の参考になったところは、
こぎれいにして、モノを大切にして、与えられた仕事を丁寧にする。あと自分のスタイルを作るということか。いい作品ありがとうございました。

いい感じに風景が反射してしまった。