ヒロニューのブログ

人生を充実させたいアラフィフ独身おじさんのつぶやきです。

我々は白人の作る世界を生きている(オッペンハイマー)

2024年アカデミー賞を受賞した「映画オッペンハイマー」を早速観に行った。

クリストファーノーラン監督はCGを使わず実際の飛行機や建物を使用する実物主義で有名な人だ。本作では世界初の原爆実験を大量の爆薬を使用して再現したという。核爆発はどんな感じだったのか、マンハッタン計画の規模、原爆の怖さを実感したくてIMAXシアターの席を選んだ。

 

 

内容としては天才物理学者オッペンハイマーが原爆開発に携わっていく話。

(以下ネタバレあり)

 

結果から言うとトリニティ実験のシーンはそんなに大したことなかった。どちらかというと人間ドラマ作品。映画の半分くらいは、オッペンハイマー共産主義者との接触を疑われて取り調べを受ける退屈なシーンだった。
彼は無罪として描かれていたが実施はどうだったのだろう、不倫相手、弟が共産党員だし、労組活動にも積極的に参加している。どうも怪しい。

当初、原爆開発に先行していたドイツへ追いつくために科学者を集めてマンハッタン計画を進めていた米国だが、そのドイツが1945年5月に降伏すると矛先が日本へと変わる。ポツダム宣言がいつ等と原爆の使用ありきのスケジュールへと変わっていく。

世界初の原爆実験が1945年7月16日に行われ、3週間後には広島と長崎の街に落とされた。こんな短期間で使用されたとは知らなかった。
これはソ連を見据えた政治的な意味が有ったのだろうが許しがたい。
原爆投下成功に湧く米国人たちを見て引いてしまった。

思えばこの映画白人ばかりが登場する。黒人もアジア人も有色人種は一人も出てこない。立派な白人科学者たち。これだけのものを造る白人。我々は原爆を使われる側。

映画館を出るとアメカジ姿の青年たちが楽しそうに歩いていた。
ショッピングモール、横文字の看板、スマホ、そもそもIMAXシアター。

我々は白人の作る世界を生きているんだな~と改めて意識した。

全てを否定するつもりは無いけれど、大切にしないといけないものも有るよなと思える。その背景には何が有るのか。
歴史を学ぶこと、伝統を意識すること、これらは続けて行かないといけない。

映画の迫力はそこまでだったけれどドラマ的には色々と考えさせされた。★4/5