ヒロニューのブログ

人生を充実させたいアラフィフ独身おじさんのつぶやきです。

古くても読みやすい (炎は流れる)

去年のうつリハビリで通った図書館。最近でも時々利用させてもらっている。

何を読もうかな~
そういえば・・・

前から読みたいと思っていたけど読めていない本が有ったのを思い出した。

日本人特有の精神性(忠誠心)はどこから来ているのか?を扱った本。司馬遼太郎作品のあとがきに紹介されていたのだけれど本屋に無く、ネットで探すもkindle版でしか無く諦めていたのだった。今まで図書館で探すってのは考えていなかった。

「炎のなんとか、おおたく・・・?」

おぼろげな記憶を頼りに備え付けの端末で検索してみる。
パチパチパチ、パチ

出てきた。

炎は流れる
大宅壮一全集第24巻

本は棚に無く書庫に有るそうなので司書の人に出してもらう。

20分程してカウンターへ行くと茶色い本を渡された。
中には著者の大宅壮一氏の白黒写真。文字の書体が古い。ページ最後には昭和39年4月と書かれていた。


こんな本読まないよな~と思ったが、折角探してもらったので借りることにした。

内容は明治天皇が亡くなった日に妻と殉死した乃木将軍の話しから始まる。事件発覚当日の様子、社会への影響。乃木家の屋敷で昔赤穂浪士切腹した話から忠臣蔵の顛末。浅野家が招いた学者山鹿素行吉田松陰をつなげる陽明学
様々な方向にはなしが流れ絡んでいく。関係する登場人物が多種多様でよくそんなこと知っているよなと驚いてしまった。気が付けば結構ページが進んでいた。

今でこそ全国の神社で祭られている乃木将軍の殉死については、当時賛否が有ったようで軍部はあまり公にしたく無かった様だし、赤穂浪士の話しでは浅野家おとりつぶしの際領民は餅をついて祝ったという意外なエピソードが書かれていて興味深かった。

まえがきに書かれている通りこの本は歴史書ではなくタテの旅行記というだけあって縦横無尽だ。色々な方面から対象を浮き彫りにするということを徹底している。

本の見た目は古くて堅苦しそうだったが、文章は洗練されていてとても読みやすかった。

結局、日本人特有の精神性とは何なのか?
新渡戸稲造の一説(P83)武士道とは何ぞや。一の時代の一の国民が必要にせまられておこれるある限られた範囲の道徳である。
そもそもこういう思想が発達したのは何なのか?自然環境の影響?
炎は流れるは何冊か続くようなので引き続き読んでみようと思う。

※図書館の貸し出し期限は2週間というのも読書を後押ししてくれるのがいい。