ヒロニューのブログ

人生を充実させたいアラフィフ独身おじさんのつぶやきです。

脳リテラシーの向上を目指す(「心の病」の脳科学)

 

うつ病などの「心の病」は、最新の脳科学においてどこまで解明されているのか知りたくて読んでみた。

12人の専門家がそれぞれの知見を紹介していく構成。人によって文章が読みやすかったり読みにくかったり。3回読んで少しわかったか。

「心の病」といっても様々なものが有り、大きく二つのグループに分けられるそうだ。一つがパーキンソン病アルツハイマー病などの神経変性疾患。脳萎縮や細胞死など明らかに目視で違いが分かるもの。もう一つがうつ病双極性障害統合失調症などの精神疾患。目視で違いが分からないもの。
前者がハードの異常、後者がソフトの異常?だから精神疾患は気持ちの問題みたく思われているのかも知れない。

それが最新の研究では、脳を遺伝子レベルで調査することで、精神疾患でも違いが分かるようになってきている。

双極性障害統合失調症自閉スペクトラム症は遺伝要因の影響が強いそうだ。



うつ病は環境要因の影響が強く、精神的、身体的慢性ストレスが脳内に炎症を伴い、内側前頭前野の偏桃体を抑制するはたらきが弱まることで発症すると考えられている。
この本では「炎症」という言葉をよく見る。脳だけでなく体の「炎症」からうつ病を併発することも有るそうで、とにかく「炎症」は体の大敵だ。

本の後半には神経変性疾患別に効く根本治療薬のはなしが出てくる。薬の許認可が2021年だったりして脳研究の進歩が日進月歩だということを感じる。
特に、ニューロフィードバックという手法のはなしはちょっと信じがたかった。脳の活動パターンをリアルタイムに被験者へ見せ、知らない間に顔の好みを変えるとか苦手なヘビを克服するとか。本当だろうか?

紹介された研究のはなしは、どれも始まったばかりで、これからどのような医療技術の向上につながるのか楽しみだ。
本冒頭に書かれているように、今後世の中の「脳リテラシー」が向上し、うつ病などの精神疾患がインフルエンザや骨折くらいに思われるようになってくれるといいなと思えた。